寝たきりの方の遺言書を作成したケース
1 ご相談内容
寝たきりのお父様を抱えたご長男様が相談に来られました。
その相談内容は、両親に金銭的な迷惑をかけて、現在行方不明の二男がいるので、父親が、その二男に遺産を渡したくないが、何か良い方法はないかというものでした。
2 解決方法
まずは、お父様の意向確認のため、小職が、寝たきりのお父様の元に、出張法律相談に伺いました。
出張法律相談を実施したところ、お父様は寝たきりでしたが、意思疎通は十分に図ることが出来ました。
そこで、お父様の意向を確認したところ、お父様は、全財産を長男に渡したいという意向を示されました。
そこで、当事務所の弁護士は、公正証書遺言書を作成することをお勧めし、その中で、長男様に、全遺産を相続させること、二男様には、遺産を渡さない旨(法律上は「廃除」といいます)記載することをお勧めしました。
その結果、お父様は、公正証書遺言書を作成されましたが、二男様に遺産を渡さない旨の記載は残されませんでした。
色々あっても、やはり二男を廃除するまでの気持ちにならなかったようです。
ただ、不安な気持ちはあったようで、当事務所の弁護士に、遺言執行者(これは、お父様が亡くなられた後、遺言書に沿って、亡くなられたお父様の気持ちを実現する職務です。)になること、遺言書を1通、当事務所で保管されることを希望されましたので、そのご希望はすべて叶えさせて頂きました。
公正証書遺言書が作成された時点で、お父様も安心されたのか、ホッとされたご様子で、冗談も出てくるようになりました。