成年後見の申立て

「成年後見」とは、 判断能力の不十分な成人に対して、法律行為の一部を本人に代わって行い、本人の保護や支援、ならびに生活の質の向上を図る制度です。
 
成年後見制度の利用のためには、まず本人の状況が
  • 「成年後見」
  • 「保佐」
  • 「補助」
のいずれに該当するのかを検討しなければいけません。
本人の判断能力によって利用すべき成年後見制度が変わるため、かかりつけの医師より本人の判断能力についての意見を聞きながら、本人にとってどの制度が合うのかを、支援する人や本人の親族、弁護士に依頼する場合には弁護士と協議をし、いずれの成年後見制度を利用するか検討します。
ここで決定した成年後見制度が必ずしも認められるわけではありません。申立後、鑑定を受けた後に、家庭裁判所の指示により変更しなければいけないこともあります。

成年後見の申立ての流れ

ここでは、家庭裁判所に成年後見の申し立てをした後の手続きの流れをみていきます。
なお、申立てから審判までの期間は事案にもよりますが、横浜家庭裁判所横須賀支部で、弁護士が申し立てに関与した件では、およそ1〜3ヶ月以内で審判に至ります。
家庭裁判所への申し立て
家庭裁判所の調査官による事実の調査
申立人、本人、成年後見人(保佐人、補助人)候補者が家庭裁判所に呼ばれて事情を聞かれます
精神鑑定 ※鑑定費用は5〜10万円(横浜家庭裁判所横須賀支部の多くの事例参照)
家庭裁判所は、後見(保佐)開始の審判をするために、本人の精神状況について医師その他適当な者に鑑定をさせます。(明らかに必要と考えられる場合は除く)
審判
申立書に記載した成年後見人(保佐人、補助人)候補者がそのまま選任されることが多いです。場合によっては、家庭裁判所の判断によって弁護士等が選任されることもあります。
審判の告知と通知
裁判所から審判書謄本をもらい、制度開始です。
法定後見開始 ※東京法務局にその旨が登記されます。

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